background

【アーカイブ:Photo&Review】ながめくらしつ 現代サーカス作品『この世界は、だれのもの』2024

 

Review by 呉宮百合香(アートコーディネーター/舞踊評論)

「そこにいる5人は、どこか皆孤独に見える。安岡あこと目黒宏次郎は、追いつ追われつ、高い身体能力を駆使して体当たりでぶつかり合う。入手杏奈と目黒陽介は、ボールを共有しつつも各々思う通りに動かしている。別々の軌道はやがて交差し、互いの領域を侵食し合う。対照的な2組を背にピアノに向かうイーガルは、全てを貫く時の流れを紡ぎ出す。間に置かれた4つの机と椅子はそれぞれ偏りのある台形で、彼らの分身のようでもある。」

「完結した独りの世界。そこから外へと手を伸ばす時、相手がモノであれヒトであれ、私たちは重心を失う。4人で1本の大綱を引き合う本作終盤の光景のように。崩れる自分の均衡に、安定を取り戻そうと体を引く一方で、接近や変化への欲求が時に逆向きのベクトルをも作り出す。」

「ながめくらしつ『この世界は、だれのもの』は、外界に触れようとする瞬間の機微に光を当てた。その慎重でちょっと不器用な手つきに、奥深い情趣が宿る。」

 

 

All Photo by 加藤春日
 

ご挨拶 by 目黒陽介[公演当日パンフレットより転載]

「本日は、ながめくらしつ新作公演『この世界は、だれのもの』に
ご来場いただき、誠にありがとうございます。
ながめくらしつは2008年に結成して、今年で17年目になります。
最初はジャグリングをメインに創作していましたが、
2016年頃から現代サーカスカンパニーとして活動しています。
現代サーカスとは何か、明確な答えを持っているわけではありませんが、
自分としては「問い」があるかどうかではないかと思ってやっています。
今回は「他者への関心」をテーマに創作しています。
作品について、ここで多くを語ることはしませんが、
作るに至るまでに自分が感じたことを少し書きます。
時々、自分が生きていることが不思議に思うことがあります。
他人にとって、自分とは一体何なのだろうと思う時があります。
自分にとって、他人とは一体何なのだろうと思う時があります。
世界が時々、自分を置いてけぼりにして、どこかに行ってしまうと感じることがあります。
自分は、悲しいことを見つけるのは上手くて、幸せを見つけるのは下手なのかもしれません。
昔を懐かしむ時、今から逃れたいのかもしれません。
そんなことを思った時に、この作品を作ろうと思いました。」

 

✦『この世界は、だれのもの』公演情報✦

現代サーカス集団・ながめくらしつ2024公演「この世界は、だれのもの」
2024年3月1日(金)~3日(日)@現代座会館 現代座ホール

演出/構成|目黒陽介  音楽|イーガル 舞台美術|照井旅詩
出演|目黒陽介 安岡あこ 入手杏奈 目黒宏次郎 / イーガル

舞台監督|守山真利恵  照明設計|岩本樹里(HIBINO) 秋庭颯雅(HIBINO) 照明操作|藤本ゆきの
衣裳|長谷川裕子 宣伝美術|あかばね 映像撮影|濱口恒太 写真|加藤春日
制作|奥村優子 当日運営助手:長井望美 受付:安部晴夏 丸山希葵 和田海秀

謝辞|AYUMI Co.SCOoPP コントーションⓇスタジオ・ノガラ スタチューパフォーマンス協会 瀬戸内サーカスファクトリー ゼロコ to R mansion 眠鳥企画 野毛大道芸 フラワーノーズ 長谷川愛実 バーバラ村田のよるべR

[主催]ながめくらしつ [協力]NPO現代座 Circus Laboratory CouCou 
[助成]公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】

*「CoRich舞台芸術まつり!2024春」最終選考作品

← 公演情報 ページへ戻る